1度深呼吸をし、305の扉をそっと開けた。

「あれ、誰ですか」

紬希の声だ。まだ起きていたのか。

「紬希、ごめん。医務室で爆睡してた。」

「大丈夫大丈夫。私ゲームに夢中だったから。」

「お前、そろそろ寝ないと見回りに怒られんぞ。もっと病人らしくしろ。」

俺は、呆れた声でそう言った。

「見回りが来た時は寝たフリしてるから大丈夫。いつも寝るの2時くらいだし。」

「俺が入ってきた時は、何で寝たフリしなかったんだ?」

「ライトの光が無かったから。違う人かなって。」

「そういうことか。……はい、もう寝なさい。ゲームはお終いです。」