しまった、何時間寝ていたのだろう。
腕時計を見ると、午前1時を差していた。

｢紬希に午後10時くらいには病室戻るって言ったのに。｣

俺はすぐに飛び起きた。
医務室には２,３人の職員が残っていた。
その中の一人。研修医の佐藤大和(ｻﾄｳﾀﾞｲﾜ)が話しかけてきた。

｢あれ、高澄先生、おはようございます。よく眠ってましたね。｣

｢今1時だよな、1時、｣

｢そうですけど、どうかしました？｣

｢紬希、彼女に午後10時には病室戻るって言ってたんだ。嘘ついちまった。｣

｢あら、それは早く行ってあげてください。でも、もう寝ちゃってるかもしれませんね。｣

｢もし誰かに俺の事聞かれたら、305にいるって伝えておいてくれ。｣

｢了解しました。｣

佐藤にそう伝えると、すぐに医務室を飛び出た。