俺は1度病室を出て、いつも仕事をしている医務室へ足を運んだ。

既に、俺の彼女が入院したことは従業員には広まっていた。

その証拠として、俺が医務室へ入るなり、心配そうに声をかけられた。

「彼女さん、大丈夫だった?」

「何日か検査入院することになった。家帰ってもやることないし、ここで一睡する。」

「どうせなら病室にいてあげたら良かったのに」

「ずっと俺がいたら着替えとかもしづらいだろ。距離感は大切なんだよ。お前らみたいにいつも密着してるだけじゃダメなんだ。」

俺は、つい嫌味ったらしく山春に言ってしまった。

「んもー相変わらず辛口なんだからー」

「その口調気持ち悪いからやめろ。」

そのやりとりが面白かったのか、医務室にいた職員全員が笑っていた。