私は生まれた頃から、心臓が弱かった。
長く生きられて10歳までだと言われていたらしい。
私の両親は、入退院を繰り返し、友達ともろくに遊ぶことの出来ない私に、何度も何度も謝っていた。

「元気に産んであげられなくてごめんね。」

幾度となく聞いた言葉だった。



生まれてすぐに心臓病が発覚した私に、両親は、「どうか心臓が良くなって、健康で、希望に満ちた人生を」という意味を込めて、「紬希」と名付けた。