「狭心症、と診断された、という事ですな。」

紬希が医者にこれまでの経緯を説明して、心臓外科のベテランとも言われている一ノ瀬雄大(イチノセユウダイ)先生は、彼女が言ったことをカルテに記していた。

「1度検査をしましょうか。それから今後のことを決めましょう。」

一ノ瀬先生の隣にいた看護師が、不安そうにする紬希を連れて検査室へ誘導させた。