「……病院、病院行くぞ。今から。すぐに。」

俺は戸惑う紬希をすぐに着替えさせ、車に乗せて病院へ向かった。

「なんで大事なことなのに言わなかったの。」

「……迷惑、かけたくなく」

「言わない方が迷惑だわ。」

俺は、久しぶりに人の話を遮って怒った。
紬希は、続けて涙目で語る。

「小さい頃、1回心臓の病気になったんだけど、それっきり何も無くて、でも、また最近痛かったりして、」



「…紬希。俺はショックだよ。信頼してくれてるから、一緒に居てくれてるんだと思ってた。」

「ごめんなさい。信頼してない訳じゃないの。」

「…もう良いよ。」

それから病院に着くまでの30分間、一言も言葉を交わさなかった。