「何か言えって。」

俺は、薬を見せられても尚、何も言おうとしない紬希に腹が立ってきていた。


「……抱きついてもダメ。言わなきゃいけない事先に言って。」


紬希が抱きついてきたが、俺はそう言ってすぐに離した。
紬希は自分の都合が悪くなると、こうやって甘えてくる。が、今はそんな悠長なことは言っていられなかった。