俺は高校へ上がると、家を出て寮生活を営んだ。

いつものように学校をサボり、窓を開けて煙草を吸った。


「葵凪、元気かな。」


きっと、「初恋の相手を探している」ことが周りにバレたら、バカにされるに違いない。
と思い、誰にも明かさなかった。










その後、高校を1年遅れて卒業し、そのまま寮を出て近くのボロアパートへ身を潜めた。
親に合わせる顔など到底無かった。



ボロアパートでは1年以上もやし生活をし、挙句の果てにやっとありつけた仕事というものが殺し屋だった。



バイトの帰り道、空腹で路上に打ちひしがれていると、今は亡き、後の師匠となる男性に声をかけられた。

「お前さん、困っているのかな?着いてきなさい。」

師匠に促され、ヘロヘロの体をなんとか起こすと、支えられながら車へ乗せられた。