好きな子が可愛すぎて付き合うのが前途多難な件

とにかく柚を逃がしてはダメだと思って、咄嗟に肩を掴んで振り向かせた。


「柚、こた」


答えろよ、と言いかけて飲み込んだ。

柚が頬だけではなく耳や首まで桃色になっていててとても綺麗だったから。

こんな顔知らない。もっと見てみたい。


「・・・可愛すぎんだろ」


思わずもれた心根に柚は更に紅潮させ、朱色へと染めあげた。

それからどちらが言ったわけでもなく俺たちは再び歩き出した。

無言の時間が続く。

気まずくはない。

気まずくはないんだが、そわそわする。

心臓なんかドキドキではなくもはやドッドッといっている。