波打ち際を歩いていた。
「指大丈夫?」
「うん、今日打てたし」
「ちょっとだけ構えてみて」
愛菜は言われるままに手を身体の前で構えた。
「肘をもう少し上に……」
肘を持ってあげてくれる。
すぐ後ろに大家くんが立っている。
恥ずかしいのに……どうしたらいいんだろ、でも恋愛的な事を言われた訳じゃないし私から言うとおかしいし……後ろから両方の手を直される。
「あの…有難いんですが恥ずかしいのでもう……」
「あっ、ごめん……弓道の事になるとつい夢中になっちゃうところがあるんだ」
ごめんねと謝ってくれた。
「何かつい気になっちゃって」
「私のフォームそんなにおかしいですか?」
「いや、君の事が…気になって」
大家くんは照れていた。
「えーと、それはどういう意味で……」
「ごめん、今月末の大会でまた会おうね、そろそろ行かなくちゃ、じゃあ」
大家くんは手を振って仲間と合流していった。
えーっと……ん?何だったのかな?



