噛みつくような言い方だ。とりあえず、言いたいことをいわせようと思い、どうぞと言った。

 「美鈴さんとどういう関係ですか?私が出てきたから急に恋人とか言ってごまかしてもだめですよ。彼女のことはここ数ヶ月見てきました。告白したときだって、恋人がいないと確認してたんです」

 「告白は何ヶ月前の話ですか……僕は今の話をしたいんです」

 柊さんがバンッとすごい音で机を叩いた。

 「彼女と僕の関係の邪魔をしないでくれ。僕は本気なんだ。隆には母親が必要だ」

 トントンとノックの音がして、院長が入ってきた。すると後ろから美鈴の姿が見えた。

 「……美鈴」

 「弘樹先生。ごめんなさい。連絡する時間がなくて……院長先生から館長にお話しがあってうかがったんです」
 
 柊さんは驚いた顔をして院長を見ている。

 「待たせたな、原田君。初めまして、柊さん。私は当宝田小児医療病院の院長の宝田です。突然すみませんね、おかけ下さい」

 そう言って、こちらを見てうなずいた。うなずき返すと院長が話し出した。