小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


 その日の夕方から後。

 私達は住田病院へ移動し、そこでもお祝いをしてもらった。顔見知りの入院している子供達の病室を回り、その時の彼らの驚いた顔といったら、最高だった。

 夜にはホテルに移動して、関係者を集めて披露宴を行った。皆忙しい患者さんを抱えている人達なので、形式を作らず、来た人から軽く立食で食べて頂き、診療があれば帰ってもらって時間も決めずに出入り自由とした。

 夜勤の人も入れ替わりで来てくれたり、その日休みだった人もその時だけ顔を出してくれたりと来やすいようにしたせいでかえって色んな人に祝ってもらえて幸せだった。

 一年後。

 私は大きなお腹になっていた。彼は資格取得のため研修に行っている。昨日から産休に入り、のんびりしていた。

 産婦人科は弘樹さんのお母様のいる大学病院。お母様は行く度に顔を見に来てくれる。何かあっても私がお腹を切って孫を出してあげるねと恐ろしいことを平気で言う。

 でも明るくて面白いお母さんだ。私には母がいないので、とても気を配って下さる。