「美鈴、冷蔵庫の料理あんなにどうしたんだ。まあ、俺も昼すぎにたくさん食べたけど……」
「昨日ね、嬉しいことがあったの。あ、片付けてくる。あと三十分くらい待てる?中にいてもいいわよ」
「ああ。そうしようかな」
そう言って、二人で中に入った。高村先輩はどうやら榊原君に彼のことを話してしまったようだ。ニヤニヤとこちらを見ている。閉館時間になった。
「平田。後のことは榊原達とやっておくから、先に上がれよ。あいつがジロジロ見てるからイライラする」
よくそんなこと言えるわよね。普段彼女とイチャイチャしている先輩に言われたくない。まあ、ありがたくそうさせてもらう。
「ありがとうございます。今度デートの時は言って下さい。先輩の代わりに残りますから」
「……平田、お前言うようになったな。まあ、いいや。そうしてくれ。お疲れ」
「お疲れ様です。榊原君ごめんね。お願いします」
ニヤッと笑った彼はひと言。



