小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


 「え?」

 「そうやって、髪を下ろしてエプロン外しているのはなかなかいいね」

 は、恥ずかしい。下を向いていたらクスッと笑われた。

 「お互い、普段と違う姿で新鮮に向き合えたところで、さあ乗って」

 助手席のドアを開けてくれた。

 「失礼します」

 「どーぞ」

 入ると先生の香水の匂いが車内に充満していて、まるで先生の中にいるみたい。
 先生が隣に入ってきて、座るとこちらを見た。

 「いいね。なんか、君の隣はしっくりくるよ」

 「……は?」

 そう言ってニヤリと笑うと、シートベルトをはめる。