小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


「……あ、あの」

「お似合いよ、ふたり。前からそう思ってた。そうだ、檜山君はナースと付き合いはじめたの」

「え?」

「だから、そっちも諦めたみたいだから二人を遮る人はいなくなったわよ。思う存分イチャイチャしてね」

 絵美先生ってこんな人だったっけ?

「じゃあ、貸し出し始めますよ。並んでね」

 以前と同様に貸し出しを始めた。退院した子も結構いて、それはそれで良かったと思う。新しい子も笑顔を見せてくれた。一番前に並んだみかげちゃんが新しい子に言っている。

「美鈴ちゃんは借りるとき頭を撫でてくれるんだよ。また、やってくれる?」

「ええ、もちろん。みかげちゃん、いつも頑張って治療して偉いね」

 そう言ってみかげちゃんの頭を撫でる。みかげちゃんはこちらに来ると涙目になって抱きついてきた。