小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


 頭を上げて先生を見ると、じっと私を見ている。

 「……あ、あの」

 「いつから?」

 「え?」

 「柊さんのことだけど、いつからこんなことになってんの?」

 「もう一ヶ月以上です」

 「はあ?」

 「実は、ここ最近は病院や図書館の帰り際だけでなくて、アパートの近くでも見かけたことがあって……」

 つい、話してしまった。誰かに相談しようと思っていたが、図書館でこの話をすると担当を替えられてしまう。柊さんには困っていたが、子供達に会えたり、先生やそのほかの保護者さんにも会えるのが楽しみでやめたくなかった。

 「……それって、尾行されたってこと?」

 「……たぶん」