小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


『文恵さん……』

「そんなに遠くにはいないんでしょ?どこにいるの?」

『近くのシティホテルです』

「やっぱり。どうして相談してくれないのよ……」

『ごめんなさい』

「とにかく待ってるから。そうね、終業後すぐに今日はあがるから、近くの喫茶店に来られる?話し聞くから……」

『いいえ。先生のマンションへ直接戻ります。先生にそうお伝え下さい』

「わかったわ。じゃあね」

『文恵さん、後で説明します。ご迷惑おかけしました』

「まったくよ。後で必ず頼むわね」

 電話を切った彼女は俺を睨んでる。まあ、しょうがない。