「ちょっと、待って。私のほうでメールしてみるから……」
「お願いします」
すると、彼女が携帯で連絡してくれている。眉間にしわを寄せている。何だ?
「先生から聞かれましたかって。そうだって言ったら時間を下さいとお伝えして下さいだって。休み明けに会いましょうだって……」
俺は彼女の携帯を取り上げて、通話にした。
「あ、ちょっと、勝手に何してんのよ!」
『もしもし、文恵さん?』
「今どこだ?」
『え?弘樹先生……』
「どれだけ心配させる気だ?君は俺が患者を放り出して今すぐ探しに行ってもいいんだな?責任取れよ!」
『せ、先生。どうしてそんなに怒ってるの?私、先生のため出てきたのに……』



