「先生はご一緒じゃなかったんですか?美鈴ちゃん、五日間のおやすみ取ったから先生と出かけたのかと思ってましたよ」
「いや。あの……どこへ行ったか聞いてませんか?」
「は?」
「いや、ちょっと喧嘩してしまって……出て行ってしまって……」
「はあ?出て行ったって……」
「先生ちょっとこっちへ……どういうことですか!」
物陰に隠れてすごい形相で睨まれた。
「いや、そのまんまの意味です。忙しさにかまけて彼女がそんなに怒ってたって気づいてなくて。昨日夜勤明けからいないんです。アパートにも戻っていなくて……旅行ってどこに行ったんですか?電話も通じないし……」
「最近、彼女元気がなかったの。だから、リフレッシュしたらって言ったら、少し休みが欲しいって言うから館長もストーカーのこともあったし了承したのよ。聞いたら行く場所はまだ決めてないけど多分旅行にいくだろうって言ってたの」
なんだよ、それ。



