「内緒にしてもらっていましたが、お伝えしましょう。美鈴は僕と付き合っているんですよ。最近、そこの警備員が美鈴の帰り際に声をかけて困らせている人がいると聞いていたんでね、心配で見に来たんです。まさか、柊さんなんですか?今日だけじゃなくて他の日も待ち伏せしてましたか?」
びっくりした。な、何言ってんの、先生。驚いた顔をしたら、こちらをじっと見てうなずいた。
そうか、私を助けようとしてくれてる?とりあえず、話を合わせてみた方がいいのかな。
「……ちっ!待ち伏せじゃない。お誘いしてただけだ」
「柊さん。もうこういうことはやめて下さい。一度お付き合いをお断りしたはずです」
「……先生、嘘だろ?美鈴さんと付き合ってるなんて。今まで見たことなかった」
「当たり前ですよ。隠れて付き合ってるんですから。誰にも話さないで下さいね。な、美鈴」
弘樹先生がこちらを見た。
「そ、そうです。誰にも言わないで下さい」
「……嘘だ。家の周りでも見たことない」
「それはどういう意味でしょう?美鈴の家の周りを見張ってた?」



