小児科医は癒やしの司書に愛を囁く


 カートに本のケースやパソコンなどを載せて業務用のエレベーターで裏口へ。
 するとやはりいた。隆君のお父さんだ。

 「美鈴さん。一度くらいお茶に付き合ってくれてもいいだろ?」

 「今も仕事中です」

 「それなら、図書館が終わるとき迎えに行くよ」

 「今日は予定があります」

 「嘘だろ。いつも予定があるっていうじゃないか」

 怖い。私の方へ一歩近づいた。

 すると私の前に遮るように腕を出してくれた人がいた。

 「柊さん。こんなところで彼女を待ち伏せして何しているんですか?」

 弘樹先生だ。

 「先生。関係ないのに入ってこないでください。僕は美鈴さんと話しているんです」