黒猫と白薔薇

 こてん。物語を読み終わる頃には、シアはすっかり眠ってしまった。


「そんな気はしてたけどね。本当に、俺を飽きさせないオヒメサマ」



 夏の陽を遠く感じる。今日はこのまま寝てしまおう。もともとそのつもりだったのだから、とやかく言われる事もないだろう。


 

 いい夢が見れそうだ、とびきり幸せな夢が。