黒猫と白薔薇

 むにゃむにゃと何やら寝言をつぶやく少女。無邪気で、真っ白な少女は一体何を夢見ているのだろう?

 そっと耳を澄ましてみる。


「……暁、だいすき……。今度また読んでね。それからパフェも食べよう……ね。いちごたくさんがいいな」



 ――まいったな。今、この表情をバカ竜には見せられない。 絶対に。



 口元を手で隠しながら、これ以上にない愛しさを感じてしまう。