「いいなータカト、藍沢さん俺の教科書貸そうか?」


休み時間になると、斜め前の席の子が口を尖らせながら優しい彼を睨んでる


その彼の口から発せられたタカトという名前に聞き覚えがあった


閉じられた教科書に書かれた"山田鷹斗"の文字


「あなたが野球部で注目されてるって選手?」


「そーそー!こいつは将来プロに入ること間違いなしなんだよなー」


「やめろよ恥ずかしいから」


少し切長な目をした彼は、周りから茶化されて恥ずかしそうにしてる