平日の学校が終りに甘味処でバイトをしている鈴華は土日の休みの日は食べ歩きをすることが多い。
家からの最寄りのバスに乗って終点の駅では一昨日から食べ物フェアで人が多く賑わっている。
実は私、食べるのが大好きでひとり楽しく唐揚げ、たこ焼き、玉せん、フライドポテトの食べ歩きをしていたら、甘いのが食べたくなってきた。
「確か、ここら辺にフルーツが食べれるお店があったような……」
人混みの中を歩きながら気になっていたカットフルーツ屋を見つけた。
(ここだ!!)
鈴華は微笑みながらカットフルーツ屋の列に並ぶ。
私の前に並んでる男性にどこか見覚えが……。
(どこかで見たことのある姿なんだけど…バイト先のお客さんだったら恥ずかしい……どうしよう!?)
恥ずかしながらも下を向きながらモジモジしていたら頭上から声をかけられた。
「もしかして、朝倉か?」
「へぇ……」
恐る恐る顔を上げるとその男性は同じクラスで隣の席の富井くんだった。

