時を経てーー。
高3になった鈴華は高校に入学をした日から上手く馴染めなくて内気な性格になってしまった。
私の想像をしていた高校生活とは程遠い。
ある日、学校帰りの途中に考え事をしながら歩いてると鈴華は自分の足で転けてしまう。
転けた自分に驚きつつ、ゆっくりと立ち上がろうとする鈴華。目の前に大きな手が差し出され私はゆっくりと上をむいた。
「大丈夫か??」
「えっと……」
鈴華と同じ制服を着ている。
彼は学年の人気者で同じクラスの富井くんだった。
私は彼の手を借りずに立ち上がる。
富井くんに心配されたが直ぐに鈴華は助けてくれたお礼を言い、胸にカバンを抱えて足早にその場を後にする。
いつも通り学校に行き、HRの予鈴が鳴ってから少しして、女担任の国谷(くにたに)先生が教室に入ってきた。
すると、すぐに席替えタイムが行われた。

