ふと、いきなり富井くんが下の名前で呼んできた。 「鈴華」 「……なぁに、航基くーー」 名前を呼ばれて横を振り向くとお互いの唇が重なった。 初めてのキスに心臓の音がドクドクと大きく聞こえる。 離れた唇はどちらからともなくもう一度、重なる。 「んっ……」 ファーストキスはイチゴ飴のように甘く身の心が溶けていくような感じがした。 そして、晴れて両思いになった私たちの高校最後の文化祭の夏祭は幸せに幕を閉じた。 END