どうして私はカップルグランプリにいるのかわからないでいた。




「と、富井くん、どうしてここに?」




少しでもいいからと事情を聞こうとしたら表舞台からのアナウンスが聞こえた。




「さぁ、カップルグランプリ最後の人たちです!! 舞台上にどうぞ〜!」




(えっもう……⁉︎)




舞台の弾幕が上がる前に富井くんは私の頭をポンポンとして微笑んで話してくれた。




「不安な顔じゃなくてあの時のように笑っててくれ」





(あの時……って……)




弾幕が上がって真ん中のスタンドマイクのところまで富井くんの背後を着いていくように歩いていく。




マイクを持った富井くんから「今から俺が話すことを聞いて欲しい」と真剣な眼差しで言われた。




私は黙って頷く。