夏祭りの約束

そのまましばらく動かなかったので心配になり
「あの、大丈夫？」と声をかけた。
「あ、ごめん。大丈夫だよ。やっと会えたからうれしくて固まってた。」
と、とてもうれしそうに言われ、今まで会いに来なかった罪悪感でいっぱいになり、
「中二の時約束破ってそのまま何年もここに来ないでいてごめんなさい！」と謝った。
すると彼はきょとんとして、
「僕が来なかったからあきれて帰っちゃったんじゃないの？」と聞いてきた。
「え、ちがうよ？わたし、友達と来てて、夢中になりすぎてここに来るの忘れてて、そのまま帰ったの。」
目を合わせないで私はそう話した。
「そうだったの！？ならよかったかも。」
と彼は驚きつつも少し安心した顔で言った。
どうしてだろう。私は約束守らなかったのに。