「あら!いいじゃない。可愛いわね」

第二回子育て交流会での話題をお便りとしてまとめていた恵真は、川原に仕上がりをチェックしてもらっていた。

「今回は手書きなのね」
「はい。パソコンで打ってみたら、なんだか味気ない気がして」
「そうね。こっちの方が温かみがあっていいと思うわ」
「ありがとうございます」

イラストも手描きで、あちこちに飾ってある。

皆から寄せられた育児グッズやベビーシッター会社、親子カフェの情報を、恵真は実際に検索してイラスト付きで解説し、ホームページアドレスも載せていた。

『なんでも伝言板』というコーナーも作り、
2歳の女の子のお洋服、譲ります
1回しか着ていないものや、新品もあります
と書いて可愛く囲った。

「じゃあこれをPDFにして配信しましょう。あ、三回目の交流会の日程も決まったら、合わせてお知らせしてね」
「はい、分かりました」

恵真はデスクで作業を終わらせると、その日は退社する事にした。

「ではお先に失礼致します」
「お疲れ様。気をつけて帰ってね」
「はい」

挨拶をしてオフィスを出る。

広報課のお手伝いをするようになってから、色々な人が恵真を覚えてくれ、気さくに声をかけてくれる。

皆すれ違いながら、身体に気をつけてね!と気遣ってくれ、その度に、ありがとうございますと頭を下げながら、廊下を歩く。