6月の下旬、待ちに待った結婚式の写真が届いた。

その日恵真は、朝から大和と一緒に出社し、昼過ぎに帰宅してひと息ついているところだった。

ダンポールを開けると、梱包材に包まれたアルバムの他に、六つ切りの台紙が数冊、スナップ写真の束とデジタルデータも入っている。

「うわあ、こんなにたくさん!」

恵真はワクワクしながら手に取る。

だが少し考えて、包みを開けずに元に戻した。

(大和さんと一緒に見ようっと!)

首を長くして大和の帰りを待ちながら、夕食の支度をする。

夜の7時に、ようやく玄関の開く音がした。

「ただいま」
「お帰りなさい!」
「ん?恵真。何かいい事あった?」

恵真の頬にキスをしてから、大和が微笑んで顔を覗き込む。

「うん!あのね、結婚式の写真が届いたの」

えっ!と言って、大和はそそくさとリビングに向かう。

これは夕食どころではないかも、と思い、恵真は、せめて手を洗って来てください、と声をかけた。

言われた通り手を洗ってから、大和は包みが並んだローテーブルの前に正座する。

「どれから見る?」
「そうですね…。じゃあ、六つ切りの写真から」

大和は頷くと、台紙を1冊手に取り、いい?と恵真に声をかけてからそっと開いた。