「ふふふ、結局ほとんど同じ物買っちゃったわね」
「ええ。もうほぼ全部ペアルックですよね」

ひとしきり買い物を終え、休憩がてらカフェでお茶を飲む。

「ね、恵真さんは、赤ちゃんどっちがいい?男の子?女の子?」
「うーん、どちらでもいいです。特に聞かないつもりですし」
「じゃあ、産まれてからのお楽しみにするの?」
「はい。彩乃さんは?」
「んー、迷ってるの。知りたいような、知りたくないような。男の子だと、早ければ次の健診で分かるかもしれないんだって」
「そうなんですね!」

恵真は頬に手を当てて考える。

「男の子だったら野中さんに似て、ひょうきんな性格なのかなー」
「おい、藤崎ちゃん。俺の印象って、まず最初がひょうきんなのか?しかも、ひょうきんって言い方、今どき変だぞ?」

野中がすかさずツッコミを入れる。

「そうですか?でもきっと明るくてみんなに好かれる、ひょうきんな男の子でしょうねえ」
「だーかーら、変だってば!」

あはは!と皆で笑い合う。

「いやー、でも楽しみだな。産まれたら一緒に遊ばせましょうよ」

大和がそう言うと、野中は真顔になる。

「佐倉。もしうちの子が女の子でお前の子が男の子だとしたら、たとえお前の息子でも絶対嫁にはやらんぞ」
「何言ってるんですか。こちらこそですよ。もし逆にうちが女の子なら、いくら野中さんのところでも、絶対嫁には行かせません」
「って言うか、嫁になんて、そんな…」
「そうですよ。どんなやつのところにだって、絶対嫁になんか…」

二人は妙にセンチメンタルな表情で、眉をハの字に下げてうつむく。

恵真と彩乃は顔を見合わせ、呆れてやれやれと苦笑いした。