「じゃあ俺も姫乃の浴衣みたい」

「わ、私なんかが浴衣を着ても似合いませんよっ!」

「いや、絶対似合う」

○○駅——○○駅です。降りる方は————

そんなことないですと、言おうとしたタイミングで先輩の降りる駅に着いてしまった。

「祭り、楽しみにしてる」

「えぇっーー⁉︎」

電車の扉が閉じる直前の先輩の言葉に、私は一人、がっくりと肩を落とした。