蒸し暑かったのでアイスオレを注文した。武田くんも同じようなものを頼んで席に座った。

「ちょっと疲れた。」

「普段座ってばかりいるからだよ。身体がなまってるんだよ。俺なんか1日中肉体労働だから全然平気。」

 武田くんは憎らしいことを平気で言う。

「若いから平気なんだよ。私はどうせおばさんだからね。なまってるんですよ。」

 笑いながら言い返した。前々から気になっていたことを言ってみた。

「年上が好きってわけじゃないんでしょ?今まで付き合った人はどうなの?」

 遠回しに聞いた。

「別に年上がとくに好きってわけじゃないけど前付き合ってたのは確かに年上だった。付き合ってたって言ってもちょっとだったけどね。」

「どれくらい上だったの?」

「3つかな。」

「ふぅん。年上が楽なんだろうね、きっと。武田くんみたいなタイプは。」

「楽?何それ?」

「結構わがままだし甘えん坊だし。幼いし。」

「ぅるせぇなぁ。」

 苦笑いしながら私の椅子を軽く蹴った。

「別に悪く言ってるわけじゃないけど素直な印象。」

「悪く言ってんじゃん。俺、ワガママ?」

 武田くんは心外そうにちょっとふくれていた。

「ワガママともちょっと違う気はするけど・・・」