午後は長い。それでも今日は電話が多く、ため息が出るほどのろのろと過ぎていくというわけではなかった。

レジ応援の放送がかかっているから店内は忙しいのだろう。事務統括のマネージャーが来て私と電話を変わってくれた。

「休憩行ってきて。」

「ありがとうございます。」

私は食堂へ行ってコーヒーを飲んでくることにした。昨晩の寝不足で眠くなってきたからだ。

食堂に着くとコーヒーを注文して何人かレジのパートの人達が座る席に行った。

「お疲れ様です。」

「お疲れ様。」

ドアが開いて家電の山本くんが入ってきた。自販機でジュースを買うと少し離れたテーブルに座った。

誰かが入ってくるたびみんなちらっと誰か確かめるがすぐに元の話題に戻る。

ドアが開いて雑貨に入ったばかりの市田さんという女の子が１人で入ってきた。こちらの方を一瞬見たがここには来ないで山本くんの向かいに座って親しげに話し出した。

（もう仲良くなったんだ。早。）

私は感心した。

「新しく入った人？」

レジのパートの塩沢さんが私に聞いてきた。

「はい。雑貨の市田さんですよ。」

私は教えてあげた。

「知らなかったわ。あんな目立つ子がいたのに。」

塩沢さんが言った。

「まだ１週間くらいしか経ってないし。それに違うフロアですもんね。」

私は言った。コーヒーを飲み終わると事務所に戻って仕事の続きをした。