昼休みに食堂に行くと正美とはちょうど入れ違いだった。

「昨日はお疲れ。顔むくんでない?」

正美が苦笑いしながら言った。

「飲み過ぎかも。」

私はごまかした。

「給料入ったら今度はうちの近くで飲まない?そうすれば楽だしさ。」

「そうだね。そうしよう。」

「じゃあね。」

正美が手を振りながら食堂を出ていった。食事の間その場にいたレジのパートの人達と話した。

時短の人は昼休みが30分だったり45分だったりでゆっくりくつろいでいる人はいない。世間話の合間に時々契約時間と休憩時間のことを質問されたりした。

人の出入りの激しい職場は慣れてしまえばある意味気楽だ。人の出入りが激しい分、人間関係が淡々としていて濃密で行き詰まることがあまりない。

狭い人間関係の閉塞感とは無縁なのだ。こればかりは働いてみなければわからなかった。

始めこそちょっと気後れしたけれど今ではこの立場のおかげでいろいろな人と会話出来るのが気に入っている。