「…な」

「……イナ」






「葵凪。」

「!?!?」

私は、誰かに呼ばれた気がして飛び起きた。

「大丈夫か。」

私は、ソファに横になっていたようだ。
お腹には毛布がかけられている。


キーンと耳鳴りがして、頭痛が再び襲ってきた。


「……葵凪。」

ボーッとする私に、グレネは話しかけた。

「す、すみません。私」

「熱がある。今日は寝てろ。」

額には、冷却シートが貼られていた。
が、既に熱を吸収してしまったのか、少し生ぬるかった。

「ぐ、グレネさん。」

「…ん?」

「何だか寂しい。」

私はいつの間にか、グレネさんにそう言っていた。
いつまで経っても埋まらない心の隙間。
それは、風邪をひいたことによって更に際立っていた。

「…葵凪。」

彼が私の名前を呼び、口を開こうとしたその瞬間、扉が開く音がした。



「グーレーネーさーーーん!!!!!!!!お土産ッス!!!!!!!!」