グレネはある人を探していた。

ずっと昔に別れた人。

それも、グレネが物心着く頃から、ずっと一緒にいた人。





「…お前は、覚えていないのかもしれないが、というかその顔だときっと忘れてるよな。端的に説明する。」




グレネは続けた。









小さな砂場で共に遊ぶ2人。

_いつか、僕のお嫁さんになってね。_

グレネはそこで、そう誓った。

その言葉に笑顔で頷いた女の子は、数日後に引っ越してしまった。
















「それが、お前だった。」








グレネは、葵凪という初恋の相手と疎遠になった後も、殺し屋を職業として生きると決めた瞬間にも、彼女を探し続けていたという。