まさか、他に女が居たなんて。

婚約間近の事だった。彼の浮気が発覚したのは。

彼の浮気相手は、私よりも遥かにスペックの高い女だった。

一言で表すならば、"モデル"のような容姿。

私はどうして今まで気が付かなかったのだろう。

恋は盲目というのは、どうやら本当だったようだ。

よく見てみれば、あまりかっこいいと言える容姿でも中身でもなかった。



今思えば、彼に「好き」の一言さえ貰ったことが無かった。そんな人と婚約しようとしていたなんて、総毛立つ。


私は荷物をまとめると、彼と過ごした部屋を振り返らず後にした。


後ろからは、2人の笑い声が聞こえていた。



大雨警報が発令されている、梅雨の時期の事であった。