私は心と顔に仮面をつけている。
顔には、世界のきれいな部分だけを見るかのように度の強い眼鏡をかけ、つくり笑いだとばれないようにマスクをつけている。
心には、誰にもばれないようなナチュラルな仮面を深く、深くかぶっている。
でも心の仮面は分厚い。
本当の私が傷つかないために。
でも心の仮面はもろい。
恐怖の音、悪魔の声が少しでも聞こえると仮面にひびが入る。
そしてこわれ、本当の私が溢れ出てくる。
涙が溢れ、体が震え、本当の私がSOSを求めるようになる。
でも、もう一人の私が「そんなの私じゃない」って周りにSOSを出させてくれない。
気付けば、仮面を深くかぶった私。強がって、平気だよと言い張る私。辛くて、怖くて叫ぼうとする私。どれが本当の私かわからなくなっていた。
でも、小説のように私に「大丈夫だよ」と言ってくれる人はいない。
一番仮面を深くかぶっていた時、一人だけ私のことを気にかけてくれた人がいた。
その人に少しだけ話をしたら「そこまで来たらもう心の病気かも」と言われた。
怖くて調べた。
嘘だ。と思い続けた。
病気って知れたら楽になると思った時もあった。
でも、周りの大人に「病院に行きたい」なんて言えなかった。
仮面をかぶってるって知られるのが怖かったから。

「病気かも」と言われてから二年
今日も心と顔に仮面をつけて、はがれないように必死に生きる。
今日こそ死のうと、そしたら楽だ。と思いながら。