ただ、気づいてほしかった。

他のクラスの人の顔はまだ知らないので緊張していた。
 
グループはランダムで既に決められていて指定の席に着いた。女子2人と男子3人の5人グループで男子のうちの2人は同じクラスの人だった。
最初の5分間はブレークタイムといって自分の自己紹介などをして打ち解けあう時間だった。グループの雰囲気はとてもよく5分を過ぎても話題が尽きることはなかった。

 他のグループも会話は順調なようだった。しかし、1つのグループだけ全く会話が進んでいなかった。
私たちの隣のグループだった。すると私のグループにいた4組の男子が隣のグループの男子に話しかけた。
「おい、ケイ起きろ!グループ困ってるだろ」

どうやら隣のグループの男子の1人がずっと眠っていてグループのメンバーが困っている様子だった。
この眠っている男子と私のグループのタツトは知り合いらしい。

「ん、タツトか。もう授業おわったか?」
寝起きの気の抜けた声で返事をする。
「バカ、まだ授業中だよ。お前のせいで話全然進んでないぞ」
「やべ、またやっちまった。ごめんねー、ほんとうに」