じゃんけんとは手遊びで行う勝負のようなものだった。

そんなことしなくても別に本屋から行けばいいのに、なぜか聖女はじゃんけんにこだわった。聖女は大人のはずなんだが、、深く考えるのはやめておこう。

聖女が勝ったので本屋から行くことに決まり、魔法関連の専門書を置いてる店に向かった。

店に入った途端、聖女の目がキラキラと輝きを増した。

「ああ、どうしよう。こんなにいっぱいあるなんて、選べない」

手当たり次第本を手にとってはページをめくり、どれにしようか吟味している。

本当に本が好きなんだな。手にしてるのが難しい専門書じゃなければ、夢中になってるその姿はなんともかわいらしい。

「そんなに悩まなくても、好きな本を好きなだけ買えばいい」

「レオ様、そんなこと言うと、この店ごと買い取るはめになるよ?」

真面目な顔して聖女が冗談を言う。

、、、冗談だよな?

しばらくこの街にいるんだからまた来ようと約束して、次は服屋に向かった。リゾート地なせいかラフな感じのドレスが主流で、どれも似たデザインだが、生地の種類が豊富なようだ。

「かわいいね!迷っちゃうな!」

本の時とは違った感じではしゃぐ聖女がまたかわいい。

「聖女と揃いの生地で俺も服を作ろうかな」

「おお!それいいね!ジョニデのも作ってみんなでお揃いにしよう!」

え?教皇も同じにする必要あるか?

「ふふふ、漫才トリオみたいになるな。サルもお揃いにできるかな?」

いやいやいや、そういうのじゃなくて。

「俺と聖女で海に行くんだろ?教皇のはいらないだろ」

「え?せっかくだし、ジョニデも誘おうよ。多分ジョニデも海行きたいよ?」

「教皇は年配だから、揃いにすると柄が渋くなるぞ?」

「そんなことないよー。ジョニデは年齢よりだいぶ若く見えるし、何気にイケメンだから、多少派手でも着こなしそう。てかレオ様、なんでそんな意地悪言うの?そんなにジョニデとお揃いが嫌?」

そうじゃない、どう言えば伝わるんだ!?

「俺は聖女とふたりで海に行きたいし、聖女とふたりで揃いの服が着たいんだ!」

「ああ、なるほど、、」