やはりずっと寝たきりだったせいか、びっくりするくらい体力がないことに気づいた。

歩くのがかなり上手になってきたから行動範囲を拡げようと思ったんだけど、すぐに疲れちゃう。そして疲れるとスイッチが切れたみたいに眠くなるらしく、この前川で流されかけてやばかった。

川は危険だ。水遊びが楽しいからってはしゃぎ過ぎちゃうと、想像以上に体力を消費するから、本当気を付けた方がいい。

怖くてしばらく川に近付けなくなり森の中を散策してたら、凄いものを発見してしまった。

多分これ、結界ってやつじゃないかなと思うんだよね。見えないんだけど大きなガラスみたいなのがどこまでも続いてる感じ?体力がないからそれがどれくらいの大きさなのかを確かめるのは諦めたけど、普通にスタジアムとかくらいはあるかも?

向こう側が気になってしばらくの間そこで眺めてたら、なんかすっごい大きな熊が現れて滅茶苦茶目が合ったんだけど、もうそれだけで死ぬかと思ったし、絶対に向こう側には行かないって決めた。まあ、行き方も全然わからないし。

私が動物に襲われずに済んだのはこの結界があったおかげだよね。

誰が張ってくれたのかは知らないけど、ありがたやありがたや。

あれ?サルはどうやって私のとこに来たのかな?

サルの侵入経路が気になったから、サルに直接聞いてみた。

「しゃるはどこからはいってきたにょ?」

ふふふ、だいぶ喋るのが上達しただろ?さ行とな行が難しい。

ところで、サルは私の言葉を理解できないと思ったかい?

そりゃそうだ!

深く考えずにとりあえず聞いてみただけなのに、驚いたことにサルは私をある場所へと連れて行った。

なんとびっくり、そこにはサルが通れるくらいの小さな穴が存在しているようだった。

透明だし、穴のサイズが小さいから、普通なら絶対に気づけない。こんな小さな穴に気づいたサルは、なんてお利口さんなの!おかげで私は命拾いしたんだね。ありがとう!サル!大好き!

この時、この穴の存在をサルから聞いておいて本当に良かった。

私が起きている間はいつもそばにいてくれるサルなのに、その日目覚めたら、サルの気配がしなかった。

そんなこともあるのかな?と思ってしばらくひとりで過ごしていたけど、なんか胸騒ぎがしたから、この穴までサルを探しに行った。

そこで私は、怪我をして倒れてるサルを発見した。