俺とあのキラキラ王子が似てる、、

りかちゃんは10年の間に、だいぶ俺を美化していると思われる。

そっか、りかちゃんの記憶の中の俺は、キラキラ王子なのかあ。

、、いや無理があるだろ。

もしかして、俺の顔、忘れちゃったのか?

嘘だろりかちゃん、俺はあんな濃い顔じゃなかっただろ?

勉強の邪魔になるからあまり近寄らないようにしてたけど、なんだかちょっと寂しくて、久し振りにりかちゃんに抱きついた。

りかちゃんがいつもみたいに俺を抱き締めて「大好き」をくれる。

そんな二人の甘い時間に、キラキラ王子が水を差してきた。

りかちゃんの腕の中でキラキラとの会話を大人しく聞いてたら、、

あのキラキライケメン俳優と俺が似てるとりかちゃんが言った気がしたのは、なにかの聞き間違いかな?

うわーまじかー、どの辺が似てるのか、俺には全然わからないわー。

でもだとしたら、あの沈没船の映画でりかちゃんがメロメロになっていたのは、キラキラ俳優とヒロインを、俺と自分に重ねて観てたからなのか?

はあ、りかちゃんがかわい過ぎる。

そして今はキラキラ王子に俺を重ねているのか。

好きな女が自分に似た別の男を愛していて見向きもされず、それどころかサルにも負ける。

なんかキラキラが気の毒になってきたな。

俺なら泣いちゃうな。

ん?キラキラのやつ、吹っ切れて開き直ってないか?

あ、しかも今、俺のこと絶対見下しただろ。

こいつ、俺に勝つつもりでいるな?

甘いんだよ!俺とりかちゃんは、運命の赤い糸で結ばれてんだ!

ぽっと出のキラキラ程度じゃ、俺とりかちゃんの障害にすらならねえんだよ!

ばーか!ばーか!このぼんくら王子め!