ジョニデのアシストもあって、レオ様の疑惑の目をそらせることに無事成功した。

レオ様って少し抜けてるようで、実は鋭くて賢い。そして、ちょっと過激な話でまんまと誤魔化されてくれるところは、さりげなくかわいい。

「レオ様は見ためがちょっとりょうちゃんぽくてかわいいから、つい揶揄いたくなっちゃうんだよねえ」

最近勉強に集中しているせいかあまり近付いてこなかったサルが、久し振りに甘えた様子で私に抱きついてきた。

「ふふふ、やきもち妬いちゃったのかな?大丈夫、サルの方がかわいいし、一番大好きだよ。本当癒される。ずっと一緒だからね」

そう言ってサルをぎゅうぎゅうしていたら、後ろから突然レオ様に声をかけられた。

「りょうちゃんて誰だ?家族か?」

やだ、うっかり声に出てた?無意識で独り言を呟いてしまうとは、見ためが少女でも、やはり中身は初老だな。

「うん、家族だね」

「その人と俺が似てるって?」

「あー、レオ様は私の世界の役者に似てるんだ。で、その役者とりょうちゃんが似てるの」

「それなら、俺と似てるってことだよな?」

「うーん、そうなんだけど、ちょっと違うんだよねえ。その役者はあくまで役者だから手が届かない、現実味のない存在なんだ。りょうちゃんに少し似てるから他の人より親近感はあるけど、憧れに近い感覚っていうか、レオ様はそっちに近い」

わかるようでわからない、微妙な説明になってしまった。

「りょうちゃんは、私にとって特別な存在なの」

レオ様が少し悲しい顔をしている。

「でも、この世界にそいつはいないんだよな」

優しいな、同情してくれてるのか。

「この世界にはサルがいるから大丈夫。サルとりょうちゃんは不思議なくらい似てるから、あまり寂しくはないんだ。今はレオ様やジョニデもいるし、全然寂しくないよ」

そう言って笑いかけると、レオ様は何やら複雑な表情をしていた。

そういえば、最近少し様子がおかしかったけど、今日は普通だな。

悩みが解消したのなら良かった。