すぐに教皇と護衛達を呼んで結界に閉じ込められたふたりを捕縛した。

「聴取は得意なので、お任せ頂けますか?」

教皇がそういって、ひとりを物陰に連れて行ってしまった。素人相手ではないので、そう簡単に自白を引き出せるものではないと思うのだが、、

「王妃に雇われた影の者でした。詳細は聞かされていないようですが、隙を見て聖女を秘密裏に城に連れてくるよう指示されていたようです」

嘘だろ、、影の人が虚ろな目をしている気がするのは、何かの勘違いであって欲しい。

「忘却か混乱の魔法をかけて放置しますか?強めにかければ王国に戻ることもできなくなると思いますが。あ、それとも魅了を強めにかけて寝返らせ、駒として使うのもありですかね?」

教皇とは一体どんな職業なのか、今までの常識が俺の中で大きく揺らいでいる。

「ジョニデ監修の元、私が雷魔法を試しう「それは絶対に駄目だ!!」

なんなんだ?魔法を使えるやつらはみんなこんな感じなのか!?

ともかく、王妃が聖女を狙ってる理由がわからない。王妃は聖女をどうするつもりだ?

さらうとは尋常じゃないと思うのだが。いくら聖女が幼くても、さらった相手の言いなりになると思うか?さらおうと思うくらいだ、薬や魔法でどうにかしようと考えてもおかしくないか、、

どっちにしても聖女が狙われてることに違いはない。背に腹はかえられないだろう。

「その、、魅了というのは、どういうものなんですか?危険はないんですか?」

「今も軽くかけているのですが、術にかかると術者に心酔状態となり、なんでも言うことを聞いてしまう感じですね。今くらいならしばらくすると正気に戻ってしまいますが、強くかければより強い心酔状態となって効果が持続します。私がそばにいなければ至って普通の状態なので敵に気づかれる心配も少なく、術を解除すれば後遺症のない安全な魔法です」

「なんと!ローリスクハイリターンの完璧な魔法ということですね?」

聖女の芝居がかった驚きの声で急に安っぽい寸劇を見せられてる気分になったが、反応したら負けな気がする。無視だ、無視しよう。