レオ様が旅支度を終え、ジョニデは教会で魔法修行セットを譲ってもらい、私は本を色々買い足してもらった。

この町の料理もアチコチ回って食べ尽くし、十分満喫。

私達は荷馬車に乗って、ジョニデの故郷へ向けて出発した。

レオ様が私のために荷馬車にフカフカの布を敷いてくれたから、凄く居心地がいい。寝てしまいそうだ。

でも今はあまり眠くないんだな。

なぜなら!私は今、ジョニデがくれた魔法修行グッズに夢中だからね!

水の入ったゴムっぽい素材のボールで、使い方はコップを使った魔力操作の練習と同じ。中の水をクルクル回すだけ。でもコップと違って、ボールが魔力量によって伸縮するの。ずっと同じ量を流し続けてもいいし、大きくしたり小さくしたり流す量を変化させるのも、また違った練習になるよね。

今はボールが浮くのを期待して、水の回転数を上げることにはまっている。

もちろん大量に魔力を流したら爆発しちゃうけど、もうその心配はないだろうって、ジョニデから渡されたんだ。なんか認められた感が嬉しくて、練習がより捗っちゃう。

そういえば、魔法で字が読めるようにもなった。ていうか、魔法の本が読みたいのに読めなくて悶え苦しんでいたら、しれっと読めるようになったのだ。

だからあの字の勉強は、転生者だとばれるきっかけにしかならなかったというわけ。

ま、私が魔法の練習や本での勉強に集中し過ぎても、レオ様達が何も言わずに見守ってくれるのは、きっと私が転生者で大人だとわかってるからだよね。

あれ以降レオ様の様子が変でちょっと気になるけど、それ以外転生者だから何かが変わるってこともなく、かえってばれて良かったのかもしれない。

久し振りにいっぱい勉強できる喜びに震えてる。

魔法のお勉強、楽し過ぎる。