私の魔王ジョークからの沈黙を破ったのはレオ様だった。

「※※※※※※※※※?」

当然、何言ってるかわからない。

「※※※※※※※※※?」

レオ様がまた何か言って『かかってこいや』的なジェスチャーをする。やる気か?私と一戦交えるのか?

いや違うな。こっちに来いかな?どっちにしても、答えはノーだ。手でバッテンを作り、首を振る。

待てよ?

私はどうしてレオ様達のとこに来たんだ?保護して欲しかったからだよ?それなら、そっちに行かなきゃ駄目じゃんね?

でも、結界の向こうに行くのはちょっと怖い。レオ様達の目的がわからないから、何か酷いことされるかもしれない。できれば人を呪うなんてしたくないしね。

あ、もしかしてジョニデは、呪いの使い手である私に対抗して派遣された、呪いのスペシャリストなのか?だとしたら、やはり結界は死守したいところだな。

私が考えてる間にレオ様がテントに戻り、何かを持って戻ってきた。いかにも美味しそうなチョコレートがたくさん入っている大きな缶だ。

くれるの?それ、私にくれるの?

レオ様がジェスチャーで『これあげるから来いよ!』って言ってる。

うーー!話せなくても、せめてレオ様達の言葉が理解できれば、コミュニケーションが取れるのにーー!

「やっぱり駄目か、どうしたらいいんだ?」

ん?今なんて言った?

「レオ様?」

あれ?言葉通じてる?

「私をどうするつもりなの?捕まえるの?サルと離れたくないの!ずっと一緒にいれる?」

あ、駄目だ、通じてないわ。

「なんだ?どうしたんだ?何を伝えようとしてるんだ?」

あれ?レオ様の言葉はやっぱり理解できるよ?愛の力か?

ジョニデは?ほら、喋ってみて?

ジェスチャーでジョニデに喋れと促してみる。

「何か話せと言ってるようですね」

愛の力は関係なかった。ジョニデの言葉も理解できたよ!

その通りだよ!とジョニデを指差し大きく頷く。レオ様も何か言ってみて!とジェスチャーする。

「俺達の言葉がわかるのか?」

イエース!全力で頷いた。

よし、いい感じだ。私、ジェスチャー得意かも。

レオ様達を指差す。

「俺達?」頷く

私を指差す。

「聖女?」頷、、え?

「聖女?」

あ、駄目だ発音が違うのか、全然通じてない。私ってば魔王じゃなくて聖女なの?まあいいや、今はそれは置いておこう。