その後まめに偵察を続けていたのだが、最近レオ様のキラキラが増した気がする。

日々剣の訓練を怠らず、汗を拭きながら仲間と笑い合う。その姿はまさに眼福。そうか、あのキラキラは汗か!汗なのか!

ちなみにじーさんは相変わらずブツブツ何かを呟いている。心なしか最近少し調子が悪い気がしてきたから、多分呪いだ。間違いない。

そんなある日のこと、サルがかなり大きい荷物を私のところに運んできた。森の中で拾ったにしては綺麗過ぎるその袋は、明らかにあの人間達の物だろう。

罠の可能性を感じる。

その袋からもの凄くいい匂いがするのだ。あまりにもいい匂いで、袋を開けてみたくてウズウズする。

これ、絶対に罠だよね。

あいつら、私のことを馬鹿にしていやがる。いくら私が長年森で暮らしているからって、こんな動物が引っ掛かるような単純な罠を仕掛けてくるとは、随分舐めた真似してくれるじゃねーか。日々呪いを受けてるこの私が、こんなお粗末な罠に掛かると思ったら大間違いだ!

絶対に開けない、絶対にな!

、、、、。

袋を開けたくて開けたくて気が狂いそうだ。

私が動物ならもう絶対開けちゃってるし、いまだに我慢してる私はやはり人間だったことが無事証明されたよね。だからもうそろそろ開けちゃってもいいかなって思ってる。だってさ、例えこれが罠だったとしても、私が人間だってことは既に証明されたわけだし。

例え何かあっても、私はあんまり痛みとか感じないし、なんならすぐ治っちゃうし、全く問題ないと思うわけ。私の治癒能力が毒ガスとかに対応してるかわからないし、腕や足がぶっ飛んだ場合、どの程度治るかは自信がないけど、、

もう我慢ができない!

例え命を取られたとしても、私はこの袋の中身がなんなのかを知りたいんだ!サル!止めるな!私は命を懸けてこの罠に挑むと決めたんだ!

震える手でその袋に触れる。何も起きない。サルがここまで引きずって来たんだから、触ったくらいじゃ何も起こらないのは当たり前だ。

こういうのはカサブタみたいなもんだから勢いが大事だね。よし、一気にいこう。

オラのからだ!もってくれよ!