「レオ様、、というか、レオンティウス様に求婚されてますよね?彼のことは、どう思ってるんですか?」

やめてくれ、せっかく幸せな気分だったのに余計なことは聞きたくない。けど俺には会話を止める術がなかった。

「レオ様のことは、好き、なんだと思う。サルは何よりも大切な存在だし、ジョニデやあきら君のことも大好きだけど、それとは少し違う。でも、、もしこの世界にりょうちゃんがいたら、、きっとレオ様は特別にならなかった。レオ様はいつも全力で気持ちを伝えてくれているのに、私の気持ちは中途半端で、、」

「ご主人にもレオンティウス様にも負い目を感じてるんですね。でもそれじゃ、梨花子さんはいつまでも幸せになれないじゃないですか」

あきらはりかちゃんにではなく、俺に語りかけていると感じた、、

『例え相手が俺じゃなくてキラキラでも、りかちゃんが幸せそうに笑っていたら、俺は、その笑顔に何度でも惚れ直してしまうんだと思う』

煮え切らない想いは残るが、この言葉に嘘はない。

『俺はりかちゃんの笑った顔が好きだから、いつも笑顔でいて欲しい。りかちゃんには幸せになってもらいたい、、惚れた弱みだな』

俺の言葉を受けて、あきらが話しを続ける。

「梨花子さんのご主人への想いはきっと伝わってる。それにご主人は、梨花子さんが幸せになるのを、望んでいると思いますよ?」

あきらは俺の言葉を伝え、更に話し続けた。

「梨花子さん、この世界で一番好きだと思える人と幸せになる未来を、想像してみて下さい。ご主人は幸せになった梨花子さんのこと、祝福してくれませんかね?」

少し戸惑っていたりかちゃんが、表情を和らげた。

「りょうちゃんなら、、りかちゃんは俺の奥さんなのに!って怒って、、それでも私が本当に幸せだったら、、良かったねって言ってくれそうな気がする、、」

「だったら、梨花子さんはご主人のためにも、本当に幸せにならなくちゃ」

「、、そうだね、、そうかもしれない」

俺はあきらの腕の中に潜り込み、りかちゃんを残してその場を離れることにした。きっとりかちゃんは、今からキラキラと幸せになる未来について考えるのだろうから、、

『あきら、、ありがとう、、』

「いいんですよ。いつか僕の恋愛相談にのってもらうつもりですし」

『えーそれだといつまでも恩を返せないじゃんかー』

「そんなことないですよ!すぐですよ!すぐ!」

『サルの寿命は短いんだぞ?間に合う気がしないな。しょうがない、恩返しは来世に持ち越しだな?』

「一体何年先の話をしてるんですか!?そんなに先じゃないですよ!?」

この数日後、俺達はりかちゃんの転移魔法で王国へ向かい、その後間もなく、王と聖女の婚約が発表された。